ストレスと神経伝達物質
ストレスが溜まると
イライラしたり、怒りっぽくなったり、うつっぽくなったり
買い物やギャンブルなどに依存したり
心や行動にその影響が表れてきますが
このような影響には
脳内の神経伝達物質が関わっています。
神経伝達物質は20種類程度ありますが
今回はノルアドレナリン・ドーパミン・セロトニン
この3つについて取り上げたいと思います。
それぞれの働きについて見ていきましょう。
ノルアドレナリン
緊張・不安・積極性・集中力をもたらすノルアドレナリン。
ノルアドレナリンが過剰になると攻撃的になったり、ヒステリーやパニックになります。
ドーパミン
喜び・快楽・意欲をもたらすドーパミン。
ドーパミンが過剰になると不安や緊張を買い物やギャンブルなどでごまかすため
それらに依存するようになります。
セロトニン
ノルアドレナリンとドーパミンが過剰にならないように調節するセロトニン。
セロトニンにはこの他にも覚醒状態の調整・ポジティブな気持ちにさせる・自律神経の調節・姿勢筋に働きかける・痛みの感覚を抑制するなどの働きがあります。
セロトニンが減少すると精神が不安定になったり、うつ状態になったりします。
ストレスがセロトニンを減らしてしまう
セロトニンがノルアドレナリンとドーパミンの量を調節して
精神を一定の状態に保つのですが、
ストレスを感じると視床下部が興奮して
セロトニンを分泌するセロトニン神経を抑制してしまいます。
セロトニンの分泌量が減ってしまうと
ノルアドレナリンやドーパミンの量を調節できず
イライラしたり、怒りっぽくなったり、うつっぽくなったり
買い物やギャンブルなどに依存したり
といった影響が表れてきます。
セロトニンの量が少ないと
ストレスを感じやすくなり
ストレスに弱い体質になってしまうのです。
セロトニンを増やすには
セロトニンが増えれば
ストレスにも強くなります。
セロトニン神経を活性化すると
セロトニンが分泌されます。
セロトニン神経を活性化するには
① 太陽光を浴びる
② リズム運動
③ グルーミング
の3つの方法があります。
① 太陽光を浴びる
太陽光を浴びるとセロトニン神経にスイッチが入り
セロトニンの分泌を促します。
直射日光を浴びる必要はなくカーテンを開けて
室内から太陽光を感じるだけでも効果があります。
太陽光を浴び続けると疲れてきますので
30分程度が目安ですが
疲れてきたらそこでやめても良いです。
② リズム運動
筋肉の緊張と弛緩(伸び縮み)を繰り返すリズム運動は
セロトニン神経を鍛えます。
激しい運動ではなく軽い運動で構いません。
ウォーキングやサイクリング、ラジオ体操など
気軽にできるリズム運動がおすすめです。
5分くらいからセロトニン神経が活発化して
20~30分でピークになります。
ただ疲れてきたらそこでやめてください。
体力に合わせて徐々に時間を延ばしていけばいいです。
③ グルーミング
人や動物と触れ合うとオキシトシンというホルモンが分泌されて
セロトニン神経の活性化を促します。
家族や恋人、会社の仲の良い同僚など
触られても嫌でない相手と
肩のマッサージやハグ、握手をし合うと
最高のセロトニン活性化になるそうです。
また犬や猫を相手に触れあっても同じ効果があります。
私事ですが犬を飼っていた頃、膝の上に乗せて頭をなでるだけでも
気持ちが落ち着くという体験を良くしましたが納得です。
セロトニンの材料となる食品
セロトニンは脳内で作られるのですがその材料となるのが
必須アミノ酸のトリプトファンとビタミンB6です。
トリプトファンはたんぱく質に含まれていますが
動物性たんぱく質はトリプトファンを脳が取り込むのを阻害するので
植物性たんぱく質の方が良いようです。
トリプトファンを含む食品
大豆食品(納豆、豆腐、みそなど)・乳製品(チーズ、ヨーグルトなど)・鶏卵・魚卵・ゴマ・ナッツ類・鰹節・アボカド・バナナ
ビタミンB6を含む食品
青魚(サバ、あじ、さんま、カツオなど)・バナナ・しょうが・にんにく・玄米・豆類
また炭水化物はトリプトファンとビタミンB6を
脳内に運搬して吸収を助けて、セロトニン神経を活性化を促します。
トリプトファン・ビタミンB6・炭水化物はセロトニンを作るのに欠かせない栄養素です。
全体のバランスも考えてこれらをおかずに取り入れるといいかと思います。
ストレス社会をうまく生きていく
今回の記事は東邦大学の有田秀穂教授の本を参考に書きました。
もっと詳しく知りたい方は有田先生の本を読んでみると大変参考になるかと思います。
現代社会はストレスが持続して心身を休める時間もないくらいです。
昨今の社会情勢や政治の状況を見ていると、
今後ますますストレスの多い社会になるのではと危惧しています。
ストレスをなくすことはできませんが
不必要なストレスを減らしたり
ストレスに強い体質にするなど
ストレスとうまく付き合って
心身の健康を保つことが大事になってくると思います。
参考文献
東邦大学の有田秀穂教授
『脳からストレスをスッキリ消す辞典』
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